Book Review
小児・思春期1型糖尿病の診療ガイド
松久 宗英
1
1徳島大学先端酵素学研究所糖尿病・臨床研究開発センター長・教授
pp.886-886
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_886
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- 文献概要
日本糖尿病学会と日本小児内分泌学会の合同編集による『小児・思春期1型糖尿病の診療ガイド』が発刊された.小児期に発症する1型糖尿病患児の診療は,主に糖尿病あるいは内分泌を専門とする小児科医による場合が多いが,本書は小児糖尿病診療を専門としない実地医家に向け,小児糖尿病診療のエキスパートの先生方の経験と臨床エビデンスが凝集した内容である.本書は小児糖尿病診療の礎である『小児・思春期糖尿病コンセンサス・ガイドライン』に準じたもので,これから糖尿病や内分泌を専門領域に選ぼうとする若い小児科医にも役立つものであるとともに,成人期に移行した若年期の糖尿病診療に当たる内科医にとっても多くの示唆を与えてくれる内容である.
とくに本書において,患児の成長および就学,就職,結婚,妊娠といったライフステージに即した治療プランニング,そして患児が通う教育機関との関わりといった小児科ならではの細やかな配慮が重点的に記載されている.また,食事療法においても,成長期にある患児にとって栄養摂取は健常児と同じであり,そのために基礎および応用カーボカウントの活用が重要であることが明記されている.さらに,その具体的な指導方法についても触れられていて,実用に即したものである.
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