糖尿病治療の個別化-個々の症例にベストな治療とは ライフステージに応じた糖尿病診療
小児・思春期の1型糖尿病
川村 智行
1
1大阪市立大学 大学院発達小児医学教室
キーワード:
Insulin
,
糖尿病性ケトアシドーシス
,
インスリン注入システム
,
低血糖症
,
糖尿病-1型
Keyword:
Diabetes Mellitus, Type 1
,
Insulin
,
Hypoglycemia
,
Insulin Infusion Systems
,
Diabetic Ketoacidosis
pp.73-76
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017114796
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年齢を問わず,基礎追加インスリン療法が原則である.しかし自己注射ができない幼稚園児の場合は,朝に混合型インスリンを打って昼食時の注射を省略する場合もある.乳幼児では,インスリンポンプ療法が第一選択である.不安定な食事量や食事回数に対応しやすく,微細な調整ができることがポンプ療法の利点である.カーボカウントが1型糖尿病の食生活を自由にした.思春期以降の患者では,10gの糖質で超速効型インスリン1単位,超速効型インスリン1単位で血糖値50mg/dL程度低下する.思春期発症の1型糖尿病患者は,心理問題を抱えることが多い.病気の受け入れができず,隠していることが血糖コントロール悪化の原因になる.食行動異常を合併しやすいことも特徴である.
©Nankodo Co., Ltd., 2017