特集 通号200号記念特集! 2026年の現在地と未来図 ~“進化”し“深化”するがん看護~
第4章:次世代につなぐ教育と専門性 ~看護の力を見えるかたちに~
研究と実践のギャップ
~知識は現場に届いているのか~
角甲 純
1
Jun KAKO
1
1三重大学大学院医学系研究科看護学専攻生涯発達看護学講座(がん看護学分野)/がん看護専門看護師
pp.173-175
発行日 2026年3月1日
Published Date 2026/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango31_173
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はじめに:このテーマの“現在地”とは
がん看護において,エビデンスに基づく実践(evidence-based practice:EBP)の重要性は繰り返し強調されてきた.とはいえ,「エビデンスに基づく」と聞くと,あたかも科学的根拠だけが決定的に重視されるかのように響く.しかし実際には,EBPは患者の病態や臨床状況,患者・家族の価値観や希望,医療者の臨床経験や実践知,そして研究によって得られた科学的根拠という複数の要素から成り立つ1).つまりエビデンスはその一部にすぎず,看護師は研究結果やエビデンスレベルを参考に,患者の状態や好み,現場の資源に応じて支援を調整している.したがって,支援は常に個別性を帯びる.しかし現実には,研究成果が十分に活かされず,患者ケアの成果に結びつきにくい状況が残されている.

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