連載 便秘エコーを習得してアセスメント力をアップ 【4】
病棟事例 ~看護師編~
大平 麻由美
1
1国際医療福祉大学成田病院 看護部
pp.74-78
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango29_74
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事例1 排便困難患者へのエコー活用事例
患者情報
A氏,70代,男性.下咽頭がん・膵がん.
【既往歴】なし(受診をしていない)
【アレルギー】なし
【生活歴】
ADL:独居,柵につかまり寝返り可,車椅子介助.生活保護受給者(家の周囲はいろいろなものが散在している状態だった)
喫煙:10本/日×50年間
飲酒:ほとんど飲まない
【現病歴】
3ヵ月前から咽頭痛が出現し,食事摂取量が低下,体重が20 kgほど落ちた.水分はなんとか摂れていた.3日前から食事後に心窩部痛が出現,数日たっても改善しなかったため救急要請をした.検査の結果,下咽頭がん・膵がんと診断され,症状コントロール目的で入院となった.
事例2 エコーでの観察がむずかしい事例
患者情報
B氏,70代,女性.進行性乳がん,肺転移,胸膜播種.
【既往歴】高血圧
【アレルギー】なし
【生活歴】
ADL:食事はベッド上でセッティングすれば摂取可能.歩行は困難で,車椅子への移動は全面介助が必要.日中はポータブルトイレ使用,夜間はオムツに排泄をしていた.
喫煙:50本/日以上×53年間
飲酒:飲まない
【現病歴】
10年以上前から右乳房のしこりは感じていたが,放置していた.2年ほど前から皮膚腫瘤出現,半年前から呼吸困難感を感じるようになった.発熱・呼吸困難感が増悪したため,救急搬送された.乳がんに対し,抗HER2治療併用化学療法を施行した際に,不整脈が出現した.その後は,抗HER2治療のみを行ってきた.在宅酸素療法・訪問看護を導入し,在宅療養をしながら外来で治療を行っていたが,発熱・呼吸困難感増悪があり,緊急入院となった.
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