特集 いま知っておきたい がんのリハビリテーション最新 Tips
Ⅱ.がんのリハビリテーション最新 Tips
がん患者の摂食嚥下リハビリテーション最新 Tips ~治療・病期別のリハビリテーションと摂食嚥下障害を予防するヒント~
小島 一宏
1
Kazuhiro KOJIMA
1
1慶應義塾大学病院リハビリテーション科/言語聴覚士,日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士
pp.641-644
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango28_641
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
摂食嚥下障害はがん治療を受けた患者の半数以上でみられ,頭頸部がんだけでなく多くのがん種で高頻度に生じる1,2).摂食嚥下障害は栄養や水分の摂取,服薬に困難を生じるため,QOL (quality of life)の低下,悪液質の進行,治療の完遂や効果に影響を与える1,3).
一方で近年,がん患者の高齢化などからサルコペニアやサルコペニアの摂食嚥下障害,口腔機能低下症などの病態と誤嚥性肺炎を含む合併症や生存との関連が報告されている4,5).質の高いがん治療や治療後の生活を支えるためには,サルコペニアや関連した摂食嚥下障害の予防・改善が重要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2023