特集 がん薬物療法の看護技術
第Ⅵ章 がん薬物療法全般
がん薬物療法Overview×スペシャリストの視点
淺野 耕太
1
1京都第二赤十字病院看護部/がん看護専門看護師
pp.511-513
発行日 2023年6月15日
Published Date 2023/6/15
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango28_511
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はじめに
近年,がん薬物療法は,さまざまな薬剤が,ほぼすべてのがん種で,さまざまなステージで幅広く使用されているために,がん薬物療法と一言でいっても,患者おのおののケースは多種多様である.しかしながら,医師から治療方針を説明される場面で,「治療は化学療法です」と伝えられたとき,患者や家族が「え!? 抗がん薬ですか?」と非常に驚かれる場面をときどき目にする.実際にその後の面談でお伺いすると,薬物療法が「絶望」「もう最期の治療」ととらえられているケースもある.がん薬物療法ががん治療のさまざまな場面で登場することを考えると,私たち看護師自体もその違いを認識しておく必要がある.
ここでは,がん薬物療法を医療者としてどのようにとらえてアセスメントしていくのか,また,治療の意思決定支援や患者のQOL向上にどのようにつなげていくのかを概説していきたい.
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