特集 がん薬物療法の看護技術
第Ⅴ章 在宅療養患者の支援
在宅療養患者×サポート体制(感染管理)
富澤 あゆみ
1
1M2Pharmacy株式会社エムツー訪問看護ステーション宮城野/がん看護専門看護師
pp.508-510
発行日 2023年6月15日
Published Date 2023/6/15
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango28_508
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はじめに
近年,がん患者の平均入院日数は短くなり,外来通院しながら治療を受ける患者が増えている1).がん薬物療法については,経口がん薬物療法の増加に伴い,初回治療から入院せずに治療開始となる例も多く,管理の主体が在宅へシフトしている.さらに,治療対象は高齢者も多く,外来での指導に苦渋する場面もある.これまでは,治療に際して外来化学療法治療室や入院病棟でも副作用マネジメントが可能であった.しかし経口薬が増加したことで,多忙な外来診療の中で,多数の患者に対し詳細な副作用マネジメントを行うことは困難である.がん拠点病院では,がん看護専門看護師,がん関連の認定看護師,がん薬物療法専門薬剤師が中心となり,それぞれの専門性を生かして専門外来を設ける病院も多くなってきている.そのような中でも,患者がいかに症状を伝えることができるかによって介入の有無が左右されることもあり,在宅でのセルフケア能力が治療の行方を左右するといっても過言ではない.とくに独居,高齢者の症例では,訪問看護を導入することによって自宅での状況が明らかになり,重大な副作用の早期発見につながることもある.
そこで今回は,在宅での感染管理の視点から,自宅で発熱したときのセルフケアや相談,受診のタイミングや地域での多職種連携などについて述べる.
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