特集 私の看護はこれでいいの? ~若手看護師が苦慮する症状マネジメントのコツ~
【各論】 対応に苦慮する症状のマネジメント
抗がん薬による急性反応
柳田 秀樹
1
Hideki YANAGIDA
1
1静岡県立静岡がんセンター看護部/看護師長,がん化学療法看護認定看護師
pp.338-342
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango28_338
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本稿では,抗がん薬の急性反応としてグレード3以上のアレルギーが出現した事例について述べる.
事例紹介
C氏,60代,女性.上行結腸がん術後に肝転移再発術後の患者.20XX年12月より補助化学療法としてFOLFOX(フルオロウラシル,レボホリナート,オキサリプラチン)療法を開始し,2サイクル目以降は外来で治療を継続していた.患者は造影剤に対するアレルギー歴があると事前情報があり,11サイクル目のオキサリプラチン投与の際に下痢症状,冷汗が出現した経緯があったため12サイクル目はアレルギー予防対策を講じたレジメンで投与開始となった.しかし,アレルギー予防対策の強化として前投薬したにもかかわらず,オキサリプラチンが6 mL投与された時点で気分不快,呼吸困難感を主訴にナースコールがあった.ただちに状況を観察すると治療開始前には120 mmHg台であった収縮期血圧が80 mmHg台へ低下,経皮的動脈血酸素飽和度(以下SpO2)が90%へ低下,気分不快の訴えがあったため緊急処置を開始した.
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