特集 患者報告型アウトカム ~患者の体験をケアに活かす~
【がん看護において患者報告型アウトカムとして使われる主なツール】
生活のしやすさに関する質問票
斎木 花称子
1
,
宮下 光令
2
Kanako SAIKI
1
,
Mitsunori MIYASHITA
2
1東北大学医学系研究科保健学専攻緩和ケア看護学分野
2東北大学医学系研究科保健学専攻緩和ケア看護学分野
pp.633-635
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango25_633
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ツールの紹介
「生活のしやすさに関する質問票」とは,厚生労働科学研究費補助金第3次対がん総合戦略研究事業「緩和ケア普及のための地域プロジェクト(Outreach Palliative care Trial of Integrated regional Model:OPTIMプロジェクト)」において作成された簡便な患者用苦痛評価ツールであり,わが国でもっとも広く使用されている患者報告型アウトカム(PRO)である.生活のしやすさに関する質問票は,以下に示すようないくつかの国際的に標準的に用いられている評価ツールを組み合わせたものである.それぞれのツールにより患者の苦痛をアセスメントするだけでなく,専門チームへの相談の希望の有無や,治療効果や副作用などに関する項目などがあり,1枚のシートで患者を包括的にアセスメントできることが特徴である.
最新版は「生活のしやすさに関する質問票 第3版」である(図1).改定によって,評価対象の症状をより頻度の多い11項目に削減,質問票の項目を妥当性が確認されたものへ変更などの改善が行われた1).
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