特集 上部消化管がん看護のいま2020
腸内コントロールが術後の状態を左右する
黒田 直子
1
Naoko KURODA
1
1がん研究会有明病院看護部/がん化学療法看護認定看護師
pp.543-545
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango25_543
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はじめに
がん患者は,容易に食欲不振や経口摂取量の低下を起こし,低栄養状態となりやすい.低栄養状態は患者の腸管の機能を低下させ,がん治療である手術や化学療法,放射線療法による合併症や副作用の発症が高まることがわかっている.
近年,食物栄養だけでは不十分な場合に経口補充栄養(oral nutritional supplements:ONS)と経管栄養による経腸栄養はがん患者の栄養補給に有用である.また,消化管の機能を正常に保ち,免疫能が維持されるよう消化管に有効な栄養素の摂取など,がん治療の一環として取り入れられるようになってきた.治療前より栄養アセスメントを行い,早期からの栄養サポート管理が求められる.
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