診断のポイント
血圧の左右差
増山 善明
1
1東大吉利内科
pp.641-642
発行日 1969年6月10日
Published Date 1969/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202683
- 有料閲覧
- 文献概要
なぜ左右差は問題か
血圧の左右差のある場合の診断手順を考えてゆくにあたって,なぜ血圧の左右差が問題になるのか,どの程度の左右差を有意と考えるかという点から述べ,ついで具体的な疾患についてふれてみたい.
なぜ,左右の血圧を測定する必要があるか:大動脈の一部が狭くなる状態(大動脈縮窄)や大動脈とくに大動脈弓からでる主要分枝や,それに続く太い血管の狭窄(血管壁の病変による狭窄が主であるが,外部からの圧迫のために血管腔の狭くなる場合もある)によって,狭窄部より末梢部では血圧が低下し,さらにその中枢部や体血圧に対しては,直接ないし間接的に血圧上昇を起こす場合があり,その結果,血圧の左右差を生じてくる.
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.