増大号 糖尿病のすべて。 検査データに基づいた診療のポイント
1章 診断と血糖コントロールの評価
糖尿病のコントロール状態の評価
西尾 善彦
1
1国立病院機構鹿児島医療センター
キーワード:
インスリン作用不全
,
血糖コントロール指標
,
空腹時血糖値
,
HbA1c
Keyword:
インスリン作用不全
,
血糖コントロール指標
,
空腹時血糖値
,
HbA1c
pp.101-105
発行日 2026年2月1日
Published Date 2026/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110540020101
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
糖尿病のコントロール状態の評価
糖尿病はインスリン作用不全に伴う代謝失調を主徴とする疾患である.代謝失調に伴う合併症として,生命に危機を及ぼすケトアシドーシスや高血糖高浸透圧症候群があり,さまざまな感染症とともに急性糖尿病合併症として知られている.一方,年余にわたる高血糖状態が原因となる末梢神経障害や網膜症,腎症は,糖尿病の慢性糖尿病合併症として知られている.したがって,インスリン作用の代償あるいは改善により代謝失調を是正し,これら合併症の発症を予防することが糖尿病治療の主要な目標となる1).
その際,糖尿病における代謝失調状態の評価すなわち糖尿病のコントロール状態の評価が治療の指標となるが,インスリン作用は血糖値で評価される糖質代謝のみならず脂質代謝,タンパク質代謝など,非常に多岐にわたることに留意が必要である.血糖値はインスリンの代謝作用を評価するうえで最も重要な指標であるが,脂質代謝失調の指標としては有用でなく,ケトン体がより重要であること,そして血糖値と血中ケトン体値には直接の関連がないことを理解しておくことが極めて重要である.

Copyright © 2026, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.

