特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
I.循環器系
2.血圧の異常
血圧の左右差
増山 善明
1
1東大第1内科
pp.864-866
発行日 1972年7月5日
Published Date 1972/7/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204134
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なぜ左右差は問題か
血圧の左右差のある場合の診断手順を考えてゆくにあたって,なぜ血圧の左右差が問題になるのか,どの程度の左右差を有意と考えるかという点から述べ,ついで具体的な疾患についてふれてみたい.
なぜ,左右の血圧を測定する必要があるか:大動脈の一部が狭くなる状態(大動脈縮窄)や大動脈特に大動脈弓からでる主要分枝や,それに続く太い血管の狭窄(血管壁の病変による狭窄が主であるが,外部からの圧迫のために血管腔の狭くなる場合もある)によって,狭窄部より末梢部では血圧が低下し,さらにその中枢部や体血圧に対しては,直接ないし間接的に血圧上昇を起こす場合があり,その結果,血圧の左右差を生じてくる.
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