特集1 免疫チェックポイント阻害薬 ~知って実践! 免疫関連有害事象マネジメント~
「だるいのです」を見過ごさない! ~倦怠感にはもっと突っ込んでアセスメントを~
淺野 耕太
1
Kouta ASANO
1
1京都第二赤十字病院外来化学療法センター/がん看護専門看護師
pp.309-312
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango25_309
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はじめに
免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor:ICI)は,従来の細胞障害性抗がん薬や分子標的治療薬とは異なった免疫関連有害事象(immune-related adverse events:irAE)と呼ばれる有害事象が出現する.irAEはこれまでの細胞障害性抗がん薬や分子標的治療薬では見られなかったような免疫関連の有害事象である.大腸炎,下痢と言った消化器系の有害事象,1型糖尿病,甲状腺機能障害,副腎障害などの内分泌系の障害,重症筋無力症や神経障害,筋炎などの神経系の障害や間質性肺炎,肝機能障害や腎機能障害などが,全身にわたり発症することが報告されている.irAEの出現頻度は,数パーセントとまれなケースが多い.しかし一方で,重症度の高いirAEにおいては,発現が数パーセントであっても,生命を脅かす可能性のある有害事象も含まれているため,早期発見や治療につながるようなアセスメントやマネジメントは非常に重要となる.本稿では,看護師が臨床で活用できるような視点を交えた具体的なirAEのアセスメントのポイントについて述べていく.
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