第Ⅳ章 各論:がん患者へのケアとエビデンス 地域で暮らすがん療養者の支援とエビデンス
がん療養者の暮らしを支援する包括ケア
中島 朋子
1
1東久留米白十字訪問看護ステーション/在宅看護専門看護師,緩和ケア認定看護師
pp.221-225
発行日 2019年2月25日
Published Date 2019/2/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango24_221
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在宅看護が目指すこと
在宅看護とは,自宅や介護保険施設を含む地域で暮らしている療養者と,その家族が望む生活を継続していけるよう,QOL(生活の質)の維持と向上,苦痛緩和を図り穏やかでかつ尊厳あるQOD(quality of death,よりよい死)を目的として提供する看護活動である.療養者と家族がもっている力を最大限に引き出し,疾患や障がいに伴う身体的・精神的苦痛,さまざまな生活上の困りごとや人生の課題などに折り合いをつけながら,個々の状況に応じたセルフケア機能を発揮し,“その人らしく生きる”ことを支えていくことを大事にしている.そのためには,心身の状態はもちろんのこと,生活状況,家族や周囲の人々など療養者をとりまくさまざまな人的・物的・経済的環境,倫理的課題など全体を見据えて,多角的な視点でアセスメントし,看護介入していくことが求められる.
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