第Ⅳ章 各論:がん患者へのケアとエビデンス 世代によるかかわりの違いとエビデンス
若年者への看護 ~AYA世代がん患者,小児がん経験者~
前田 留美
1
1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科 看護キャリアパスウェイ教育研究センター
pp.218-220
発行日 2019年2月25日
Published Date 2019/2/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango24_218
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がん治療施設を訪れる若年患者は,「AYA世代がん患者」と「小児がん経験者」に大別される.「AYA」とは「Adolescent and Young Adult(思春期・若年成人期)」の頭文字を取った呼称で,AYA世代がん患者とは15歳以上30歳未満でがんと診断された者を指す1)(40歳未満,とする文献もみられる).「小児がん経験者」は15歳未満でがんと診断された者である.
AYA世代がん患者,小児がん経験者への看護が成人・高齢がん患者と大きく異なるのは,成長発達の途中の段階であり,診断以降に進学・就職・結婚・妊娠・出産といった重要なライフイベントを迎えるため,これらすべてに治療や晩期合併症による影響がかかわってくる点である.生涯にわたる長期的な健康管理とフォローアップが必要になるが,その体制づくりはいまだ発展途上である2).
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