2．T4b直腸癌に対する手術治療のポイント

Key points of surgical treatment for T4b rectal cancer

局所進行T4b直腸癌は複雑な臨床所見をもち，治療には熟慮された計画と複数の専門医の高度な知識と技術が必要である．T4b直腸癌患者の管理において重要な点は，術前の正確な病期分類，boderline resectable症例に対するネオアジュバント治療の適切な適用，そして何よりも，治癒可能な症例において質の高い完全な外科的切除を行うことである．このような症例における手術の目標は，腫瘍と直腸の，関係する臓器や構造物を含めたR0切除の達成であり，われわれは大部分の症例で開腹手術を支持する．良好な手術戦略は，浸潤のない部分から開始し，次に異なる側面または角度から腫瘍にアプローチすることである．このアプローチにより，腫瘍および浸潤臓器周囲の可動性と可視化が改善される．腹腔鏡下やロボット支援下切除は，高度に選択された症例にのみ考慮すべきである．積極的な外科的管理により切除断端を陰性に保つことが，長期的に持続可能な転帰をもたらす．