Japanese
English
症例
2個の浸潤性病変を認めた乳腺アポクリン癌の1例
A case of apocrine carcinoma with two invasive lesion of the breast
佐々木 健秀
1
,
林 永規
1
,
岡本 佳昭
1
,
鈴木 亮二
1
T. Sasaki
1
,
N. Hayashi
1
,
Y. Okamoto
1
,
R. Suzuki
1
1千葉県循環器病センター外科
キーワード:
乳腺アポクリン癌
,
トリプルネガティブ
,
アポクリン化生
Keyword:
乳腺アポクリン癌
,
トリプルネガティブ
,
アポクリン化生
pp.83-87
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka87_83
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
乳腺アポクリン癌は,乳腺浸潤癌特殊型に分類され,アポクリン化生成分が優位を占めるものである1).組織学的には,エオジン好性の細胞質と無数の細胞内微小顆粒を有するアポクリン化生を示す細胞学的特徴のアポクリン分化を認める腫瘍細胞が大部分を占める浸潤癌をアポクリン癌(apocrine carcinoma)と診断する1).発生頻度は,全乳癌の約1%とまれである2).ホルモン受容体陽性率が低く,特にER(-),PgR(-),HER2(-)のtriple negative症例が多い3).リンパ節転移陽性率が低く予後はよいとされているが4),一部には悪性度が高いとの報告もあり,化学療法を推奨する意見もある5).今回,まれな組織型であり,また同時性多発性というさらにまれな乳腺アポクリン癌の1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2025