Japanese
English
特集 胆道癌治療の最前線
II. 各論
5.進行度に応じた胆囊癌に対する至適術式
Optimal surgical procedure according to the stage of gallbladder cancer
小暮 正晴
1
,
新井 孝明
1
,
松木 亮太
1
,
鈴木 裕
1
,
阪本 良弘
1
M. Kogure
1
,
T. Arai
1
,
R. Matsuki
1
,
Y. Suzuki
1
,
Y. Sakamoto
1
1杏林大学医学部付属病院肝胆膵外科
キーワード:
胆囊癌
,
術式
,
肝切除
,
リンパ節郭清
Keyword:
胆囊癌
,
術式
,
肝切除
,
リンパ節郭清
pp.142-148
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka84_142
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胆囊癌に対する至適術式は進行度によって異なる.深達度においては,T1症例にはリンパ節郭清を伴わない全層胆囊摘出術が,T2症例には胆囊床切除と領域リンパ節郭清が選択される.T3以深の症例には,浸潤範囲によっては右肝切除や膵頭十二指腸切除の対象となるが,合併症率が高く予後も不良なために慎重に適応する必要がある.T2以深症例のリンパ節郭清は,上膵頭後部リンパ節を含めた2群領域郭清が標準的である.肝十二指腸間膜内のリンパ節郭清の効率化を目的としたいわゆる予防的肝外胆管切除の付加は推奨されない.肝切除範囲については,系統的なS4,5切除や肝切除範囲の拡大が予後を改善するエビデンスは認められず,肝切除断端を陰性化しうる切除範囲で十分であると考えられる.
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