Japanese
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特集 十二指腸疾患への外科アプローチ
I. 総論
1.十二指腸腫瘍性病変に対する腹腔鏡・内視鏡合同手術の現状と展望
Update and future aspects of laparoscopy and endoscopy cooperative surgery (LECS) for non-ampullary duodenal tumors
寺山 仁祥
1
,
布部 創也
1
,
吉水 祥一
1
,
幕内 梨恵
1
,
井田 智
1
,
速水 克
1
,
熊谷 厚志
1
,
大橋 学
1
M. Terayama
1
,
S. Nunobe
1
,
S. Yoshimizu
1
,
R. Makuuchi
1
,
S. Ida
1
,
M. Hayami
1
,
K. Kumagai
1
,
M. Ohashi
1
1がん研究会有明病院
キーワード:
腹腔鏡・内視鏡合同手術
,
十二指腸腫瘍
,
内視鏡治療
Keyword:
腹腔鏡・内視鏡合同手術
,
十二指腸腫瘍
,
内視鏡治療
pp.1115-1119
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka84_1115
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内視鏡による検診の普及により表在性の非乳頭部十二指腸腫瘍が発見されることが多くなった.リンパ節転移頻度の低い粘膜内癌や腺腫には内視鏡治療が施行される.ただし内視鏡治療は技術的な困難さに加えて,治療部位への膵液・胆汁曝露による遅発性穿孔や後出血が問題となる.一方で外科手術は保険収載の問題もあり開腹手術で行われるが,局所切除においては腫瘍の位置同定が困難な場合が多く,また膵頭十二指腸切除は過大侵襲につながる可能性がある.十二指腸腫瘍に対する腹腔鏡・内視鏡合同手術(D-LECS)はこれらの問題を解決しうる術式であり,その安全性が報告され,2020年度には保険収載された.十二指腸は後腹膜臓器であり術操作の困難性があり,また膵臓側の腫瘍の治療など問題点がまだ残されているものの,内視鏡治療単独では切除が困難な腫瘍に対しては有用な術式である.また内視鏡治療の導入期には橋渡しとなる術式でもあり,今後の普及・発展が期待される.
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