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特集 専門医必携 新外科手術書―新しい手術手技のエッセンス
II. 胃
5.胃癌に対する腹腔鏡下噴門側胃切除と再建法
Laparoscopic proximal gastrectomy with double-flap technique
西江 尚貴
1
,
布部 創也
1
,
幕内 梨恵
1
,
井田 智
1
,
熊谷 厚志
1
,
大橋 学
1
N. Nishie
1
,
S. Nunobe
1
,
R. Makuuchi
1
,
S. Ida
1
,
K. Kumagai
1
,
M. Ohashi
1
1がん研究会有明病院消化器センター胃外科
キーワード:
噴門側胃切除
,
再建術
,
観音開き法
Keyword:
噴門側胃切除
,
再建術
,
観音開き法
pp.443-448
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka83_443
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本邦において胃癌の罹患数は全国的に減少傾向にあるものの,いまだに大腸癌に次いで多く,消化器癌の代表の一つといえる.近年では,食生活の欧米化やH.pylori関連胃癌の減少により,食道胃接合部癌を含めた上部胃癌の割合が増加していると推測されている.噴門側胃切除は,一般に上部早期胃癌に対する機能温存手術として位置づけられる術式であり,神経温存,再建法,リンパ節郭清範囲などについてさまざまな議論がなされてきた.特に再建法については,食道残胃吻合法,空腸間置法,double-tract法などがあげられるが,逆流防止の観点から標準的な再建術式はいまだcontroversialである.当院では2013年から観音開き法(double-flap technique)による食道残胃吻合を導入しており,近年では食道切除が必要な症例にも同再建を積極的に行っている.本稿では,当院で行っている腹腔鏡下噴門側胃切除および再建法について概説する.
© Nankodo Co., Ltd., 2021