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特集 炎症性腸疾患治療における外科と内科の接点
2.重症Crohn病に対する治療
Treatment for severe Crohn’s disease
能丸 遼平
1
,
久能 宣昭
1
,
平井 郁仁
1
R. Nomaru
1
,
N. Kuno
1
,
F. Hirai
1
1福岡大学消化器内科
キーワード:
炎症性腸疾患
,
Crohn病
,
生物学的製剤
,
内視鏡的バルーン拡張術
Keyword:
炎症性腸疾患
,
Crohn病
,
生物学的製剤
,
内視鏡的バルーン拡張術
pp.1022-1028
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka84_1022
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Crohn病は近年,本邦において増加傾向にある.Crohn病は病態が経時的に進行する難治性の慢性炎症性疾患とされているが,薬物療法はこの十数年間で急速に進歩した.特に,2002年に承認された抗TNFα抗体製剤であるinfliximabの登場と普及で治療のパラダイムシフトが起きた.さらにその後,抗α4β7インテグリン抗体製剤や抗IL-12/23p40抗体製剤など,作用機序が異なる生物学的製剤が使用可能となり,抗TNFα抗体への不応例や二次無効例にも適用されるような時代になった.一方,薬物療法のみならず,ダブルバルーン小腸内視鏡やカプセル内視鏡などのモダリティの普及により診断の精度や内視鏡治療の適応や質が向上した.治療目標は臨床症状の改善から内視鏡的粘膜治癒,そして長期予後の改善を重要視する治療ストラテジーへと変化している.本稿では,重症Crohn病の内科的治療(内視鏡的バルーン拡張術を含む),外科的治療の適応,現状と治療の実際について概説する.
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