特集 炎症性腸疾患1997
主題
Ⅲ.合併症
(1)肛門部病変―特にCrohn病における診断と治療
舟山 裕士
1
,
佐々木 巖
1
,
松野 正紀
1
1東北大学医学部第1外科
キーワード:
炎症性腸疾患
,
Crohn病
,
肛門部病変
,
診断
,
治療
Keyword:
炎症性腸疾患
,
Crohn病
,
肛門部病変
,
診断
,
治療
pp.397-404
発行日 1997年2月26日
Published Date 1997/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105073
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要旨 炎症性腸疾患,特にCrohn病に合併する肛門部病変は頻度が高いうえにquality of lifeを左右する重要な合併症である.肛門部病変は,痔瘻,潰瘍,skin tagを含めた腫脹に分けられる.なかでも痔瘻は最も重要な合併症であるが,低位痔瘻またはⅠ型,Ⅱ型痔瘻の根治手術による治療成績は良好である。しかし,高位痔瘻またはⅢ型,Ⅳ型痔瘻は治療に抵抗性であるため,切開排膿やseton法などによる姑息的治療を治療の中心とすべきである.更に高度な肛門部病変に対しては,fecal diversionが必要となるが,術後のquality of lifeは良好である.直腸肛門の排便機能が廃絶し修復が不能となったものでは最終的には直腸切断術の適応となる.
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