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特集 専門医必携 新外科手術書―新しい手術手技のエッセンス
IV. 大腸
1.腹腔鏡下結腸右半切除術の手術手技
Surgical procedure for laparoscopic right hemi-colectomy
小野 龍宣
1
,
古畑 智久
1
T. Ono
1
,
T. Furuhata
1
1聖マリアンナ医科大学東横病院消化器病センター消化器外科
キーワード:
腹腔鏡下結腸右半切除術
Keyword:
腹腔鏡下結腸右半切除術
pp.482-487
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka83_482
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右側結腸癌は日常診療で遭遇する機会の多い疾患である.進行右側結腸癌に対するD3リンパ節郭清を伴う腹腔鏡下結腸右半切除術は,経験のある消化器外科医の指導のもと,若手医師が執刀することも多い.しかしながら,右側結腸は血管系のバリエーションが多く1),難易度の低い術式ではなく,合併症も比較的多い.また,施設によりポート配置や結腸間膜授動のアプローチ方法に違いがみられる手術でもある.本邦では癌の支配動脈を根部で切離し,結腸間膜を保った状態で切除する手技が標準的に行われており,また,Hohenbergerらがほぼ同様の手技をcomplete mesocolic excision(CME),central vascular ligation(CVL)として提唱し予後の改善を報告している2).手術の基本はCME・CVLであり,結腸間膜を損傷することなく腫瘍を摘出するためには,膜と層の理解,血管と臓器の位置関係の理解が必要である.
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