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特集 専門医必携 新外科手術書―新しい手術手技のエッセンス
III. 小腸
3.癒着性腸閉塞に対する腹腔鏡下手術の手術手技
Laparoscopic surgery for adhesion intestinal obstruction
三浦 啓壽
1
,
田中 俊道
1
,
横井 圭悟
1
,
古城 憲
1
,
山梨 高広
1
,
海津 貴史
1
,
細田 桂
1
,
佐藤 武郎
1
,
山下 継史
1
,
隈元 雄介
1
,
比企 直樹
1
,
内藤 剛
1
H. Miura
1
,
T. Tanaka
1
,
K. Yokoi
1
,
K. Kojo
1
,
T. Yamanashi
1
,
T. Kaizu
1
,
K. Hosoda
1
,
T. Sato
1
,
K. Yamashita
1
,
Y. Kumamoto
1
,
N. Hiki
1
,
T. Naitoh
1
1北里大学
キーワード:
腹腔鏡下手術
,
癒着性腸閉塞
Keyword:
腹腔鏡下手術
,
癒着性腸閉塞
pp.477-481
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka83_477
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癒着性腸閉塞は,術後合併症としてしばしば遭遇する疾患である.機械的腸閉塞は,閉塞性腸閉塞(単純性)と絞扼性腸閉塞(複雑性)に分類され,癒着性腸閉塞は閉塞性腸閉塞にあたる.癒着性腸閉塞は閉塞性腸閉塞の中でも高頻度に認め,癒着による腸管の屈曲や捻じれによって閉塞をきたす.近年では,既往手術が腹腔鏡下で行われていることが多く,以前に比べ癒着性腸閉塞は少なくなっている.2014年に報告されたシステマティックレビューでは,腹腔鏡手術が開腹手術と比較して癒着性腸閉塞の発生率と重症度を減少させるとしている1).癒着性腸閉塞は,術後早期に発症するものや数年経って発症するものがある.臨床症状は腹痛,腹満感,悪心,嘔吐,排便・排ガスの停止などさまざまである.絞扼性腸閉塞を合併した場合は緊急手術となるが,ほとんどの癒着性腸閉塞は減圧処置後に小腸造影やイレウス管造影で閉塞機転を検索しつつ,待機的に手術する場合が多い.本稿では,当院で行っている癒着性腸閉塞の術前診断と腹腔鏡下手術につき概説する.
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