特集 こだわりの体腔内縫合・吻合術
Ⅱ.胃外科 4)腹腔鏡下 / ロボット支援下噴門側胃切除後の観音開き法による再建
黒田 新士
1
,
菊地 覚次
1
,
垣内 慶彦
1
,
香川 俊輔
1
,
藤原 俊義
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器外科学
キーワード:
観音開き法
,
上川法
,
噴門側胃切除
Keyword:
観音開き法
,
上川法
,
噴門側胃切除
pp.189-195
発行日 2023年2月15日
Published Date 2023/2/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003156
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観音開き法による食道残胃吻合(以下,観音開き法再建)は,1998年および2001年に上川らにより報告された噴門側胃切除後の再建法である1,2)。われわれも,その手術手技に関して2016年に英文での報告を行い3),2018年には岡山大学関連18施設にて行った多施設共同後ろ向き観察研究(rD-FLAP Study)において,観音開き法再建の有用性に関する報告を行ってきた4)。そのrD-FLAP Studyのなかで,術後1年目の逆流性食道炎(ロサンゼルス分類Grade B以上)の発生頻度は6.0%であり,開発当時からの20年間に及ぶリアルワールドデータとしては十分許容され得るものと評価されている。このように観音開き法再建は,強力な逆流防止能を特徴とした再建法であり,現在,わが国では噴門側胃切除後の代表的な再建法の1つとして普及しているが,近年では韓国や中国などの東アジアにおいてもDFT(double-flap technique)(Kamikawa procedure)として認知され,普及しはじめている。
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