Japanese
English
臨床経験
低異型度虫垂粘液性腫瘍に対する手術例の検討
Clinical analysis of resected low-grade appendiceal mucinous neoplasm
大橋 浩一郎
1
,
濱田 哲宏
1
,
松尾 祥平
1
,
中尾 英一郎
1
,
西野 雅行
1
,
岡田 敏弘
1
K. Ohashi
1
,
T. Hamada
1
,
S. Matsuo
1
,
E. Nakao
1
,
M. Nishino
1
,
T. Okada
1
1宝塚市立病院
キーワード:
低異型度虫垂粘液性腫瘍
,
鑑別診断
,
膿瘍形成性虫垂炎
Keyword:
低異型度虫垂粘液性腫瘍
,
鑑別診断
,
膿瘍形成性虫垂炎
pp.1215-1221
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka83_1215
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低異型度虫垂粘液性腫瘍(low-grade appendiceal mucinous neoplasm:LAMN)は,虫垂内腔に粘液を貯留する疾患で,虫垂手術の0.08~4.1%に存在する比較的まれな疾患である1).病理学的には,大腸癌取扱い規約第8版より虫垂粘液性腫瘍はLAMNもしくは粘液癌に分類されている2).ただ,欧米における疾患概念の定義とは相違があり,依然統一されていないのが現状である3).本症は,検診や他疾患の経過観察中に偶然発見されるか,腹痛など虫垂炎様症状を呈することで発見されることが多い.しかし術前の虫垂炎との鑑別,さらには粘液産生腫瘍の良悪鑑別がむずかしいことが多く,術前にLAMNと診断することは困難なことが多い4).
© Nankodo Co., Ltd., 2021