Japanese
English
特集 肛門疾患の診かた,治療法
II. 肛門疾患の治療
6.浅外括約筋外切開アプローチ法による坐骨直腸窩痔瘻に対する括約筋温存術(側方法)
Efficacy of the sphincter-preserving lateral procedure with an incision on the superficial part of the external anal sphincter for ischiorectal fistula
辻 順行
1
,
髙野 正太
1
,
中村 寧
1
,
久野 三朗
1
,
深見 賢作
1
,
濵田 博隆
1
,
裴 惺哲
1
,
桑原 大作
1
,
山田 一隆
1
,
髙野 正博
1
Y. Tsuji
1
,
S. Takano
1
,
Y. Nakamura
1
,
S. Hisano
1
,
K. Fukami
1
,
H. Hamada
1
,
S. Hai
1
,
D. Kuwahara
1
,
K. Yamada
1
,
M. Takano
1
1大腸肛門病センター高野病院
キーワード:
坐骨直腸窩痔瘻
,
括約筋温存術
,
開放術
,
シートン
,
肛門内圧
Keyword:
坐骨直腸窩痔瘻
,
括約筋温存術
,
開放術
,
シートン
,
肛門内圧
pp.1335-1342
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka80_1335
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2012年4月~2014年9月に当院で坐骨直腸窩痔瘻に対して浅外括約筋外切開アプローチ法による括約筋温存術で根治術を行い,術後24ヵ月以上経過観察した坐骨直腸窩痔瘻(100例)を対象とした.手術時間は坐骨直腸窩痔瘻(隅越分類Ⅲ型)28分,骨盤直腸窩痔瘻(Ⅳ型)47分,治癒日数はⅢ型72日,Ⅳ型125日,累積再発率はⅢ型2.0%,Ⅳ型4.5%であった.括約不全は,術後24ヵ月後まで定期的に経過観察した42例をWexner’s scoreの平均でみると,術前0.7→術後1ヵ月4.6→術後3ヵ月1.6→術後6ヵ月2.6→術後12ヵ月0.6→術後24ヵ月0.6であり,術後12ヵ月以上経過すると,括約不全はほぼ消失した.肛門内圧検査を術前→術後3ヵ月→術後6ヵ月→術後12ヵ月,術後24ヵ月で比較すると,MRP(cm/H2O)は103.2→80.2→82.3→82.4→89.3で,術前と術後3ヵ月,術前と術後6ヵ月,術前と術後12ヵ月では有意差を認めたが,術前と術後24ヵ月では有意差はなかった.MSP(cm/H2O)は272→218→248→265→288で,どの期間も有意差はなかった.
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