特集 消化器・一般外科におけるCommon Diseaseの手術 エルステから高難度まで
Ⅱ 肛門疾患手術 5 皮下・低位・高位筋間痔瘻(Ⅰ・ⅡL・ⅡH型)に対する手術
辻 順行
1
,
高野 正太
1
,
中村 寧
1
,
深見 賢作
1
,
山田 一隆
1
,
高野 正博
1
1大腸肛門病センター高野病院
キーワード:
痔瘻
,
括約筋温存術
,
開放術
Keyword:
痔瘻
,
括約筋温存術
,
開放術
pp.493-503
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002149
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肛門陰窩に開口する肛門腺の感染(肛門陰窩感染説)で痔瘻の大部分が発生することが判明し1),病変を切開する開放術が導入され,痔瘻の根治率は高まった2)。現在,痔瘻根治術としての開放術は,どの痔瘻に対しても適応される手術法である。しかし,痔瘻のなかで最も頻度が高い低位筋間痔瘻に対する開放術1年経過後の便失禁のアンケートをとると,前方に発生した痔瘻では24.3%,側方に発生した痔瘻では54.9%,最も安全性が高いと考えられる後方の痔瘻においても16.4%の頻度で,肛門のトーヌス低下の自覚が術後に報告された3)(図1)。
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