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特集 専門医必携 新外科手術書―新しい手術手技のエッセンス
V. 肛門
2.坐骨直腸窩痔瘻に対するMRI三次元画像併用下括約筋温存手術―浅外括約筋外切開法(側方法)による括約筋温存術の有効性
The sphincter-preserving procedure using three dimensional magnetic resonance imaging for the treatment of inchiorectal fistula
辻 順行
1
,
山田 一隆
1
,
髙野 正博
1
Y. Tsuji
1
,
K. Yamada
1
,
M. Takano
1
1大腸肛門病センター高野病院
キーワード:
坐骨直腸窩痔瘻
,
括約筋温存術
,
肛門エコー検査
,
MRI検査
,
再発
Keyword:
坐骨直腸窩痔瘻
,
括約筋温存術
,
肛門エコー検査
,
MRI検査
,
再発
pp.541-549
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka83_541
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Parksにより提言された痔瘻発生における肛門陰窩感染説の認知により,痔瘻の根治には肛門陰窩の処理が重要であることが周知され,痔瘻の治癒率は向上した1).具体的には病変を切開(切除)する開放術が導入され,痔瘻の根治率は高まった2).現在本邦では,全痔瘻に対して開放術が導入され,深部痔瘻ではHanley変法と称されて施行されている.しかしもっとも痔瘻の中で頻度が高い低位筋間痔瘻において,開放術1年経過後に便失禁のアンケートをとると,かなりの頻度で術前より肛門のトーヌス低下が自覚された3).したがって骨盤・坐骨直腸窩痔瘻に対してHanley変法が施行されると,内外括約筋が切断されるために,術後の括約不全が危惧された.専門医であれば,痔瘻を根治させることと機能を温存することの両立が求められる.
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