症例
CD4陽性T細胞優位のリンパ球浸潤を伴った
胃リンパ球浸潤癌の1例
熊代 美香
1
,
園部 宏
2
,
浅野 基
3
,
吉田 亮介
1
,
池田 宏国
1
,
石崎 雅浩
1
1岡山労災病院外科
2岡山労災病院病理診断科
3岡山労災病院消化器内科
キーワード:
胃リンパ球浸潤癌
,
CD4陽性T細胞
,
EBウイルス
Keyword:
胃リンパ球浸潤癌
,
CD4陽性T細胞
,
EBウイルス
pp.1388-1392
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka79_1388
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はじめに 胃リンパ球浸潤癌(gastric carcinoma with lymphoid stroma:GCLS)は,著明なリンパ球浸潤を伴う予後良好な特殊型胃癌である.全胃癌の1~4%を占め,Epstein-Barr virus(EBV)の関連が特徴とされている.病理学的特徴から術後に診断されることが多く,ほかの胃癌と同じステージで比較しても,脈管侵襲やリンパ節転移の頻度が低い1).その理由として,周囲に浸潤したリンパ球の免疫応答が一因と考えられており,浸潤リンパ球はCD8陽性T細胞が多いとされている2).今回われわれは,浸潤リンパ球がCD4陽性T細胞優位であるGCLSの1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
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