臨床経験
絞扼性腸閉塞に対して早期診断しえた7例
中村 祐介
1
,
鈴木 弘文
1
,
岡屋 智久
1
,
唐木 洋一
1
,
福田 啓之
1
,
山森 秀夫
1
1千葉県済生会習志野病院外科
キーワード:
絞扼性腸閉塞
,
早期診断
,
CT
Keyword:
CT
pp.1383-1387
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka79_1383
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絞扼性腸閉塞における絞扼腸管の虚血進行はすみやかであり,発症後36時間を超えた症例のmortalityは30%以上と報告されている1).近年,絞扼腸管の虚血進行前に絞扼性腸閉塞を診断し,外科的治療の早期実施による腸管温存・生存率改善をめざした早期診断の治療方針が提唱され,画像診断を中心に絞扼性腸閉塞に対する早期診断のためにさまざまな試みがなされているが2~5),いまだに確立された診断方法はない.当科ではCT所見に着目し,腹部理学所見や血液検査所見に優先して絞扼性腸閉塞を診断する根拠としており,腸閉塞症例に対するCT所見で絞扼性腸閉塞が疑われた場合には,他検査での異常所見にとぼしくとも積極的に開腹手術の適応とし,早期診断による治療成績向上をめざしている.今回当科で上記の治療方針によって絞扼性腸閉塞に対する早期診断を得た7例を経験したので,当院での絞扼性腸閉塞に対する治療方針と合わせて報告する.
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