シリーズ最新医学講座―免疫機能検査・16
EBウイルス感染症とリンパ球検査
大石 勉
1
,
荒井 孝
2
,
高野 忠将
3
,
岡崎 実
4
,
芥 直子
5
,
山口 明
2
,
藤井 紀行
2
,
山本 英明
2
Tsutomu OH-ISHI
1
,
Takashi ARAI
2
,
Tadamasa TAKANO
3
,
Minoru OKAZAKI
4
,
Naoko AKUTA
5
,
Akira YAMAGUCHI
2
,
Noriyuki FUJII
2
,
Hideaki YAMAMOTO
2
1埼玉県立小児医療センター感染免疫アレルギー科
2埼玉県立小児医療センター感染免疫アレルギー科放射線部
3昭和大学医学部藤が丘病院小児科
4佐渡総合病院小児科
5虎の門病院小児科
キーワード:
EBウイルス
,
潜伏感染
,
慢性活動性EBウイルス感染症
Keyword:
EBウイルス
,
潜伏感染
,
慢性活動性EBウイルス感染症
pp.431-439
発行日 2002年4月15日
Published Date 2002/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905087
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はじめに
Epstein-Barr (EB)ウイルスは潜在的に発癌性を有するヘルペスウイルスで,ガンマ(γ)ヘルペスウイルスサブファミリーに属する.EBウイルスは唯一のヒトγ1ヘルペスウイルスであり,カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(ヒトヘルペスウイルス8)はγ2ヘルペスウイルスに属する.
EBウイルスは咽頭上皮を経てヒトに感染し,他のヘルペスウイルスサブファミリーと同様に潜在感染(latent infection)することを特徴とする(図1)1).2歳までに約70%の乳幼児が感染し,その多くは不顕性感染あるいは一過性の上気道炎症状のみを呈する.思春期以後の初感染ではほぼ50%が伝染性単核症を発生するといわれている.
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