Japanese
English
バイオ時代におけるリウマチ性疾患の診療 Ⅳ.手術的治療
1.上肢
リウマチ肘に対する手術戦略最前線
Front line of surgical treatment strategies for rheumatoid elbow
小田 良
1
,
大久保 直輝
1
,
遠山 将吾
1
,
徳永 大作
1
,
高橋 謙治
1
R. Oda
1
,
N. Okubo
1
,
S. Toyama
1
,
D. Tokunaga
1
,
K. Takahashi
1
1京都府立医科大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop., Graduate School of Medical Science, Kyoto Prefectural University of Medicine, Kyoto
キーワード:
rheumatoid elbow
,
surgical treatment
,
total elbow arthroplasty
,
triceps-on approach
Keyword:
rheumatoid elbow
,
surgical treatment
,
total elbow arthroplasty
,
triceps-on approach
pp.79-84
発行日 2023年10月25日
Published Date 2023/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei84_79
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は じ め に
関節リウマチ(RA)は診断と治療の技術が急速に進歩し,早期診断と薬物治療により炎症をコントロールできるようになってきた.手術的治療に対する関心や需要は減少するかと思われたが,『関節リウマチ診療ガイドライン2020』では,非薬物治療・手術的治療のアルゴリズムが新たに提示された.「保存的治療が無効な場合は,関節機能再建術を検討する」として,人工関節置換術,関節(温存)形成術,関節固定術,滑膜切除術などを行うとされている1).
RAにおいて上肢は早期に滑膜炎と関節破壊が発生しやすく,さまざまな機能障害をきたすことから適切な時期に適切な機能再建を図ることが重要である.本稿では,RAによる肘関節変形であるリウマチ肘に対する手術的治療として,確実に進歩を遂げている人工肘関節全置換術(total elbow arthroplasty:TEA)について,特に低侵襲で術後早期に良好な機能回復が望めるアプローチに焦点を絞って解説する.
© Nankodo Co., Ltd., 2023