Japanese
English
バイオ時代におけるリウマチ性疾患の診療 Ⅱ.検査・診断
2.画像診断
関節リウマチにおけるFDG-PET/CTの有用性
Usefulness of 18F-fluorodeoxyglucose positron emission tomography combined with Computed tomography in rheumatoid arthritis
須藤 貴仁
1
,
岡邨 興一
1
,
筑田 博隆
1
T. Suto
1
,
K. Okamura
1
,
H. Chikuda
1
1群馬大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Gunma University Graduate School of Medicine, Maebashi
キーワード:
18F-fluorodeoxyglucose-PET/CT
,
biologics
,
RA
Keyword:
18F-fluorodeoxyglucose-PET/CT
,
biologics
,
RA
pp.39-44
発行日 2023年10月25日
Published Date 2023/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei84_39
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は じ め に
関節リウマチ(RA)は関節滑膜の炎症を主体とし,関節軟骨や骨破壊を引き起こす全身性の自己免疫疾患である.近年の薬物治療の進歩により,強力にRAの疾患活動性をコントロールすることができるようになってきたが,治療の必要性や効果判定をするにあたり重要となるのがその評価方法である.現在,疾患活動性の評価法としてdisease activity score(DAS)やSimplified Disease Activity Index(SDAI)などが日常診療で用いられているが,これらの評価法はvisual analog scale(VAS)や圧痛・腫脹関節数といった,患者や評価者の主観によって左右される項目が含まれるため,客観的評価という点では信頼性に若干乏しい.また,手指などの小関節中心の評価方法であるため,炎症が全身に及ぶRAの活動性の一部しか評価できていないという側面がある.
当科では,18F-fluorodeoxyglucose positron emission tomography combined with CT(FDG-PET/CT)を用いてRA患者の疾患活動性評価などを行ってきた.同時に複数関節や炎症部位を評価できるFDG-PET/CTは,炎症を半定量的に測定できることから,客観性の面でも有利であると考えられる.本稿では,RA患者におけるPETの有用性について,当科の報告を交えて解説する.
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