Japanese
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バイオ時代におけるリウマチ性疾患の診療 Ⅵ.治療システム
2.多職種連携
関節リウマチにおけるチーム医療の重要性
Importance of interprofessional work in rheumatology practice
杉村 祐介
1
,
小林 志
2
,
青沼 宏
3
,
千馬 誠悦
4
,
奥山 幸一郎
1
,
宮腰 尚久
5
Y. Sugimura
1
,
M. Kobayashi
2
,
H. Aonuma
3
,
S. Senma
4
,
K. Okuyama
1
,
N. Miyakoshi
5
1秋田労災病院整形外科
2平鹿総合病院整形外科
3市立角館総合病院整形外科
4中通総合病院整形外科
5秋田大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Akita Rosai Hospital, Odate
キーワード:
RA
,
interprofessional work
Keyword:
RA
,
interprofessional work
pp.189-191
発行日 2023年10月25日
Published Date 2023/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei84_189
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は じ め に
近年の関節リウマチ(RA)診療はパラダイムシフトと称されるように治療がめざましく発展し,関節破壊による変形や機能障害が抑えられる時代となってきた.それに伴い治療の多様化がすすみ,患者の望む治療内容や生活の目標設定,抱える問題も多岐にわたるようになった.欧州リウマチ学会(EULAR)のrecommendation1)における,目標達成に向けた治療(treat to target:T2T)のはじめに述べられている事項は,医師と患者の共同意思決定(shared decision making)の重要性である.医療者は一方的に治療を提供するのではなく,治療方針の意思決定,RAの疾患理解のための患者教育,金銭的問題,生活や就労といったさまざまな面において患者の不安や問題点を把握しサポートする必要がある.これらの中で医師のみがかかわることで解決できる事項は少なく,看護師,薬剤師,臨床検査技師,理学療法士(PT)や作業療法士(OT)などのセラピスト,メディカルソーシャルワーカ(medical social worker:MSW)といったさまざまな職種による介入が非常に重要になることから,われわれはRA診療に多職種がかかわるチーム医療の取り組みを行った.本稿では,取り組み前後での変化や,患者に与えた影響について実例を交えて報告する.
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