Japanese
English
バイオ時代におけるリウマチ性疾患の診療 Ⅳ.手術的治療
2.下肢
アルゴリズムに基づくリウマチ前足部手術
Algorithm-based selection of surgical techniques for rheumatoid forefoot deformities
猪狩 勝則
1
,
矢野 紘一郎
1
,
岡崎 賢
1
K. Ikari
1
,
K. Yano
1
,
K. Okazaki
1
1東京女子医科大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Tokyo Women’s Medical University, Tokyo
キーワード:
RA
,
forefoot deformity
,
surgery
,
algorithm
Keyword:
RA
,
forefoot deformity
,
surgery
,
algorithm
pp.130-137
発行日 2023年10月25日
Published Date 2023/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei84_130
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
は じ め に
関節リウマチ(RA)における手術的治療において2000年代に入ってもっとも劇的な革新を遂げた分野は前足部手術であるといっても過言ではない.かつては中足骨頭を切除して中足趾節(MTP)関節脱臼を矯正する切除関節形成術が一般的であったが,薬物治療の進歩にうながされるように,関節を温存する術式へと劇的に変化してきた.2010年に発表された中足骨近位短縮組み合わせ手術を端緒に1),この分野の発展においては本邦が世界をリードし続けている2~5).現在,用いられている骨切り法は大きく分けて遠位骨切り(皮切が小さい),近位骨切り(矯正力が大きい),骨幹部骨切り(水平骨切り,短縮量の術中調整が容易)があるが,リウマチ足は多数趾障害をきたしていることが一般的であり,トータルバランスを考慮して前足部の変形を矯正する必要がある.
当科では現在リウマチ足の多数趾障害に対してアルゴリズム(図1)を用いた術式選択を行っており,人工関節や固定術も含めてさまざまな手法の中から患者の状態に適した手術方法が容易に選択できるようになっている.本稿ではそのアルゴリズムを示すとともに,当科で比較的選択されることが多い,第1中足骨に対する閉鎖式ならびに開大式近位回旋骨切り術,第2~4中足骨に対する遠位短縮斜め骨切り術,第5中足骨に対する水平骨切り術などについて術前計画から手術手技,後療法について概説する.
© Nankodo Co., Ltd., 2023