Japanese
English
骨粗鬆症と骨粗鬆症関連骨折に対する診断と治療 Ⅱ.薬物治療
副作用を考慮した骨粗鬆症治療薬の選択
Selection of medicines for osteoporosis from view points of side effects
永井 隆士
1
,
石川 紘司
1
,
大下 優介
2
,
黒田 拓馬
1
,
阪本 桂造
1
,
稲垣 克記
1
T. Nagai
1
,
K. Ishikawa
1
,
Y. Oshita
2
,
T. Kuroda
1
,
K. Sakamoto
1
,
K. Inagaki
1
1昭和大学整形外科
2昭和大学横浜市北部病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Showa University School of Medicine, Tokyo
キーワード:
side effect
,
osteoporosis
,
osteoporosis treatment
,
algorithm
Keyword:
side effect
,
osteoporosis
,
osteoporosis treatment
,
algorithm
pp.52-55
発行日 2020年10月31日
Published Date 2020/10/31
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei78_52
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は じ め に
超高齢社会において,「いつまでも元気で長生き」であることは非常に重要である.一方で,介護保険の要介護,要支援の原因では,約37.9%が運動器の障害であり1),脊椎圧迫骨折や大腿骨頚部骨折などは日常生活動作の低下や寝たきりの原因になる.骨折を予防するためにも骨粗鬆症の程度を把握し,必要に応じて治療を行うことが大切である.現在は骨密度だけではなく,骨代謝マーカーを利用して薬剤の選択をすることも可能になった.また,骨粗鬆症治療薬の種類も増え,薬剤の選択肢も広がった.一方で,疾患の対象者に高齢者が多いことを考えると,薬の副作用を加味した薬剤選択は必須になる.
骨粗鬆症治療薬はビスホスホネート製剤(BP製剤),エストロゲンレセプターモジュレーター(selective estrogen receptor modulator:SERM)製剤,抗RANKL(receptor activator for nuclear factor-κB ligand)抗体製剤,副甲状腺ホルモン(PTH)製剤,抗スクレロスチン抗体製剤,活性型ビタミンD製剤,カルシウム製剤,ビタミンK製剤,カルシトニン製剤が主に使われている.それぞれ骨密度増加効果2~5),骨折抑制効果6)などが報告されているが,副作用にも注意しなければならない.
本稿では各種薬剤の副作用を概説し,症例を提示してわれわれが行っている薬剤選択の1例をアルゴリズムで紹介する.
© Nankodo Co., Ltd., 2020