Japanese
English
上肢疾患の診断と治療の進歩(新鮮外傷を除く) Ⅱ.疾患各論
4.スポーツ傷害:肩関節唇損傷
肩関節後方不安定症に対する解剖学的修復をめざした鏡視下関節唇修復術の手術成績
Surgical outcomes of arthroscopic labrum repair aimed at anatomical repair for posterior shoulder instability
糸魚川 善昭
1
,
古賀 有希久
1
,
上原 弘久
1
,
鶴上 浩規
1
,
石島 旨章
2
Y. Itoigawa
1
,
A. Koga
1
,
H. Uehara
1
,
H. Tsurukami
1
,
M. Ishijima
2
1順天堂大学附属浦安病院整形外科
2順天堂大学整形外科学講座
1Dept. of Orthop. Surg., Juntendo University Urayasu Hospital, Urayasu
キーワード:
posterior labrum repair
,
anatomy
,
shoulder instability
,
orthopedics
,
arthroscopy
Keyword:
posterior labrum repair
,
anatomy
,
shoulder instability
,
orthopedics
,
arthroscopy
pp.124-127
発行日 2022年10月25日
Published Date 2022/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei82_124
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は じ め に
肩関節後方不安定症は,肩関節不安定症の2~10%に存在する.比較的まれな疾患であるが,オーバーヘッドスポーツなどのアスリートでしばしばみられる1).その病態は後方への脱臼により,肩甲骨から後下関節上腕靱帯-関節唇複合体(PIGHL-LC)が剥がれ,PIGHLの機能不全によるとされている.
後方不安定症に対する手術的治療は,関節鏡下にアンカーを用いて関節唇を修復することが多いが,アンカーを関節縁から2mm関節面に挿入する方法2)や関節縁に挿入する方法3)など,術者によって手技がさまざまである.
われわれは屍体肩を用いてPIGHL-LCの肩甲骨付着部での詳細な解剖を調査し4),その結果から解剖学的修復をめざした鏡視下関節唇修復術を現在どのように行っているか術後成績を交えながら報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2022