Japanese
English
上肢疾患の診断と治療の進歩(新鮮外傷を除く) Ⅱ.疾患各論
1.肩関節・上腕部
1)肩腱板断裂
一次修復困難な広範囲肩腱板断裂に対する棘下筋回転移行術の成績
Clinical outcome of rotational infraspinatus muscle transfer for irreparable massive rotator cuff tear
四本 忠彦
1
,
大久保 敦
2
,
中島 駿
3
T. Yotsumoto
1
,
A. Okubo
2
,
S. Nakajima
3
1京都九条病院関節・スポーツ整形外科
2日本医科大学千葉北総病院整形外科
3日本医科大学整形外科
1Dept. of Joint and Sports Orthop. Surg., Kyoto Kujo Hospital, Kyoto
キーワード:
irreparable massive rotator cuff tear
,
arthroscopy
,
rotational infraspinatus muscle transfer
Keyword:
irreparable massive rotator cuff tear
,
arthroscopy
,
rotational infraspinatus muscle transfer
pp.62-65
発行日 2022年10月25日
Published Date 2022/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei82_62
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は じ め に
肩腱板断裂に対して手術的治療を行う際,一次修復不能な症例に遭遇することがある.腱板の周囲組織への癒着や,断裂のサイズ,腱板筋の脂肪変性などの影響が考えられる.それらに対して部分修復術1),筋前進術2,3),パッチ移植術4),腱移行術5),上方関節包形成術6),リバース型人工肩関節置換術7)にいたるまで多くの方法が報告されている.そのなかで,安里らがPatte法3)の変法として,棘下筋回転移行術(RIT)を報告した8).すなわち,肩甲棘基部の肩甲上神経・血管を温存し,棘下筋筋腹を肩甲骨体部から剥離し,棘下筋断端最後部を大結節のsuperior facetに移行・修復する手技で,あたかも神経・血管付き有茎(回転)皮弁のようなコンセプトの方法である.われわれは,腱板筋の脂肪変性が高度で一次修復困難な広範囲肩腱板断裂に対してRITを行い,良好な成績を得たので報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2022