Japanese
English
鏡視下手術の進歩――小関節から脊椎まで Ⅶ.足部・足関節
鏡視下足関節外側靱帯修復術の実際と成績
Clinical results of arthroscopic ankle lateral ligament repair
神崎 至幸
1
,
抽冬 晃司
1
,
山本 哲也
1
,
山下 貴大
1
,
茨木 一行
1
,
黒田 良祐
1
N. Kanzaki
1
,
K. Nukuto
1
,
T. Yamamoto
1
,
T. Yamashita
1
,
K. Ibaraki
1
,
R. Kuroda
1
1神戸大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Kobe University Graduate School of Medicine, Kobe
キーワード:
anterior talofibular ligament
,
calcaneofibular ligament
,
arthroscopy
,
repair
Keyword:
anterior talofibular ligament
,
calcaneofibular ligament
,
arthroscopy
,
repair
pp.245-249
発行日 2020年4月20日
Published Date 2020/4/20
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei77_245
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は じ め に
足関節外側靱帯損傷はスポーツ障害の中でももっとも頻度が高い疾患の一つであり,ほとんどの場合functional treatmentに代表される保存的治療が行われる.しかし,その20~40%は陳旧例となり有症性の足関節外側動揺性を生じるとされており1,2),その際は手術的治療が必要となる場合が多い.手術的治療としては局所の遺残組織を用いる靱帯修復術と移植腱を用いた靱帯再建術の2つに大きく分けられるが,解剖学的修復術であるBroström法は低侵襲かつ良好な長期成績が獲得されており,ゴールデンスタンダードといわれている3,4).近年,小径の内視鏡や小さく強度の高いスーチャーアンカーが開発され,それらを用いた低侵襲である鏡視下足関節外側靱帯修復術の報告が散見されるようになり,その良好な成績が報告されている.鏡視下修復術の合併症として,浅腓骨神経障害とともに,アンカーから出ている縫合糸による縫い目の違和感といった症状があげられる.当科ではこの縫い目の問題を回避するために,特殊な構造をもったノットレスアンカーを使用して縫い目を皮下につくらない方法で鏡視下修復術を行っている.本稿では,この新しい鏡視下修復術の手術手技やピットフォールなどを詳述し,手術成績についても報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2020