Japanese
English
骨・軟部腫瘍のマネジメント(その1) Ⅱ.診 断
2.組織・遺伝子診断
粘液線維肉腫の臨床病理学的解析に基づく治療戦略
Treatment strategy of myxofibrosarcoma based on clinicopathological analysis
菊田 一貴
1
K. Kikuta
1
1栃木県立がんセンター骨軟部腫瘍・整形外科
1Division of Musculoskeletal Oncology and Orthop. Surg., Tochigi Cancer Center, Utsunomiya
キーワード:
myxofibrosarcoma
,
tail-like pattern
,
recurrence
,
margin
Keyword:
myxofibrosarcoma
,
tail-like pattern
,
recurrence
,
margin
pp.58-62
発行日 2021年4月20日
Published Date 2021/4/20
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei79_58
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は じ め に
粘液線維肉腫は,過去に一つの独立した腫瘍・疾患概念として議論されてきた時期もあるが,長らく悪性線維性組織球腫(MFH)の1亜型である粘液型(myxoid type)に分類されていた腫瘍である.しかしながら,2000年初頭からの急速な分子生物学的手法の進歩に伴い,悪性軟部腫瘍の定義・疾患概念の見直しが行われ,2002年の世界保健機関(WHO)分類改訂において,MFHの1亜型とされてきた粘液型(myxoid MFH)は,線維芽細胞性/筋線維芽細胞性腫瘍(fibroblastic/myxofibroblastic tumors)に再分類され,粘液線維肉腫として,独立した疾患として扱われるようになった1~3).それに伴い,粘液線維肉腫の臨床病理学的特徴や現在の治療における問題点が明らかとなってきている.本稿では,われわれがこれまでに行ってきたさまざまな視点からの多角的な粘液線維肉腫の臨床病理学的解析データを提示しながら,粘液線維肉腫の現在の治療方法,治療成績とその問題点,さらには治療戦略および今後の展望に関して言及する.
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