Japanese
English
骨・軟部腫瘍のマネジメント(その1) Ⅰ.総 論
2.最新の基礎研究
近年の研究から明らかとなった肉腫研究の課題
Basis research and drug development in sarcoma:what are the problems? what lies ahead?
堀内 圭輔
1
,
須佐 美知郎
1
,
千葉 一裕
1
K. Horiuchi
1
,
M. Susa
1
,
K. Chiba
1
1防衛医科大学校整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., National Defense Medical College, Saitama
キーワード:
tumor driver gene
,
fusion gene
,
small molecule inhibitor
,
antibody drug
,
tumor immunotherapy
Keyword:
tumor driver gene
,
fusion gene
,
small molecule inhibitor
,
antibody drug
,
tumor immunotherapy
pp.18-21
発行日 2021年4月20日
Published Date 2021/4/20
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei79_18
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は じ め に
近年,がん領域における基礎研究の発展はめざましく,それらの知見は分子標的治療薬,免疫チェックポイント阻害薬の開発につながり,臨床に還元されるまでにいたった.骨・軟部腫瘍領域では,2010年以降,複数の新薬が適応を獲得したものの,こうしたがん領域全体の発展に伴う恩恵を十分に享受しているとは残念ながら言い難い状況である.その一因は,肉腫という疾患の希少性に由来するものであるが,近年の研究結果から,ただ単にまれなだけでなく,細胞生物学的な側面からも肉腫という疾患のむずかしさ・特殊性が明らかとなりつつある.本稿では,近年の基礎研究から明らかとなった肉腫特有の問題点・課題を概説し,今後の研究の可能性について,私見を交えつつ議論する.
© Nankodo Co., Ltd., 2021