ネフローゼ症候群 診療の新たな潮流
近年明らかになったネフローゼ症候群をきたす液性因子
和田 健彦
1
1東京大学医学部附属病院 腎臓・内分泌内科
キーワード:
ネフローゼ-リポイド
,
ネフローゼ症候群
,
糸球体硬化症-巣状分節性
,
糸球体腎炎-膜性
,
自己抗体
,
Interleukin-13
,
Phospholipase A2 Receptors
,
Urokinase-Type Plasminogen Activator Receptors
Keyword:
Autoantibodies
,
Glomerulosclerosis, Focal Segmental
,
Nephrosis, Lipoid
,
Nephrotic Syndrome
,
Glomerulonephritis, Membranous
,
Interleukin-13
,
Receptors, Urokinase Plasminogen Activator
,
Receptors, Phospholipase A2
pp.767-770
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013356258
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ネフローゼ症候群の病因・進展機序にはまだ不明な部分が多いが,近年になって液性因子の関与に関する重要な報告がなされている.特発性膜性腎症の原因抗原としてM型ホスホリパーゼA2受容体(PLA2R)が同定され,同症の病態解明の過程が大きく前進した.この抗原に対する自己抗体を評価した報告が相次いでいるが,この抗体価は診断や病勢評価,予後予測に有用である可能性がある.可溶性ウロキナーゼ受容体(suPAR)が巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)の発症に関わる液性因子として報告されているが,その作用や診断マーカーとしての有用性について評価は定まっていない.微小変化型ネフローゼ症候群の病因・病態に,T細胞由来のインターロイキン13が関与している可能性がある.
©Nankodo Co., Ltd., 2013