Japanese
English
骨粗鬆症と骨粗鬆症関連骨折に対する診断と治療 Ⅰ.診断と評価
経皮的胸腰椎後方固定術後の局所後弯進行因子
-――CTにおけるHounsfield値の有用性
Analysis of loss of correction after posterior thoracolumbar spinal fixation using percutaneous pedicle screw for treatment of spinal trauma;efficacy of Hounsfield units in preoperative spinal computed tomography
赤羽 武
1
,
鈴木 智人
1
,
嶋村 之秀
1
,
高木 理彰
1
T. Akabane
1
,
T. Suzuki
1
,
Y. Shimamura
1
,
M. Takagi
1
1山形大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Yamagata University Faculty of Medicine, Yamagata
キーワード:
percutaneous pedicle screw fixation
,
thoracolumbar fracture
,
Hounsfield unit
,
loss of correction
Keyword:
percutaneous pedicle screw fixation
,
thoracolumbar fracture
,
Hounsfield unit
,
loss of correction
pp.8-12
発行日 2020年10月31日
Published Date 2020/10/31
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei78_8
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は じ め に
脊椎後方固定術において,椎弓根スクリュー(pedicle screw:PS)の弛みは術後局所後弯進行の危険因子と報告される1).PSの固定力は骨密度に密接に関係しており2),術前に椎骨の骨密度を評価することは重要である.一般的に骨密度の評価にはdual energy X-ray absorptiometry(DXA法)が用いられる.しかし,DXA法による骨密度の評価は脊椎外傷例で術前に施行することは困難である.また椎弓根や椎体など,部位ごとに分けて骨密度を評価することはむずかしい.
近年,CTから計測可能であるHounsfield値(CT値)を用いた骨密度評価が注目されている.CT値とは,水を0,空気を-1,000と設定して組織の密度を数値化したもので,空気で満たされた肺は低い数値で表現され,皮質骨は高い数値で表現される.軟部組織や海綿骨はその間でさまざまな数値でその密度が表現される.Schreiberらは椎体の海綿骨のCT値とDXA法で計測した骨密度に正の相関があることを報告した3).本研究ではこのCT値に着目し,脊椎外傷例において術前に計測した椎体CT値(vCT値)やPS刺入経路のCT値(pCT値)が,脊椎後方固定術後早期の局所後弯進行やPSの弛みの予測因子になると仮定し,術前CT値測定の有用性を検討した.
© Nankodo Co., Ltd., 2020