Japanese
English
特集 Spinal Instrumentation(第13回脊椎外科研究会より)
脊柱シミュレーターを用いてのHarrington法の力学的解析—効果的ロッド設置方法について
Force and Moment Analysis of the Harrington System by Using the Spinal Simulator: Effective Application of the Harrington System
貴島 稔
1
,
酒匂 崇
1
,
宇都宮 健治
1
,
中西 賢二
2
Minoru Kijima
1
1鹿児島大学整形外科学教室
2鹿児島大学工学部
1Department of Orthopedic Surgery, Faculty of Medicine, Kagoshima University
キーワード:
thoracolumbar fracture
,
Harrington operation
,
moment analysis
,
spinal simulator
Keyword:
thoracolumbar fracture
,
Harrington operation
,
moment analysis
,
spinal simulator
pp.481-485
発行日 1985年4月25日
Published Date 1985/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907178
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:胸腰椎脱臼骨折に対し,強力な内固定力を有するHarrington systemが広く用いられるようになってきている.しかし本法の用い方は,人により異なり,主に臨床的経験より論議されている.著者らはHarrington systemの内固定力を力学的立場より評価する目的で,脊柱シミュレーターを作成し,本シミュレーターの力学的特性が,人体脊柱標本のそれと同じである事を確認した.更に本シミュレーターに,Harrington systemを各種の設置条件で設置し,脊柱に外力を加えた時,損傷椎体と周囲の靱帯に作用するモーメント量を測定した.その結果,損傷椎体および靱帯に作用するモーメント量を小さくする—即ち損傷脊柱を安定的に保持する—Harrington systemの設置法は,1)Distraction rodとCompression rodを組合せて用いる.2)Distraction rodと椎弓の間に接点を作る.3)Compression rodに可能な限り多くのフックを設置する.4)損傷椎体より遠位部にフックを設置する事である事,を定量的に明らかにした.臨床的には,損傷椎体の上下3椎弓部にDistraction rodとCompression rodを組合せて用いる事が,最も効果的なHarrington systemの用い方である.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.