Japanese
English
鏡視下手術の進歩――小関節から脊椎まで Ⅳ.手部・手関節
Universal subcutaneous endoscope systemを用いた鏡視下手根管開放術
Minimally invasive procedure of endoscopic release for carpal tunnel syndrome using universal subcutaneous endoscope system
小松 淳
1,2
,
杉山 陽一
1,2
,
名倉 奈々
2
,
金子 和夫
2
J. Komatsu
1,2
,
Y. Sugiyama
1,2
,
N. Nagura
2
,
K. Kaneko
2
1順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター整形外科
2順天堂大学整形外科
1Dept. of Medicine for Motor Organs, Juntendo Tokyo Koto Geriatric Medical Center, Tokyo
キーワード:
CTS
,
minimally invasive procedure
,
endoscopic release
,
universal subcutaneous endoscope system
Keyword:
CTS
,
minimally invasive procedure
,
endoscopic release
,
universal subcutaneous endoscope system
pp.137-140
発行日 2020年4月20日
Published Date 2020/4/20
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei77_137
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は じ め に
手根管症候群(CTS)は,1863年にPagetによって最初に報告された.正中神経の絞扼性圧迫または非炎症性虚血に起因し,すべての絞扼性単神経障害の90%1)とされ,成人人口の1.5~3%である2).
手根管症候群に対する外科的手技は,Cannonら3)が,直視下に屈筋支帯を切離する観血的手術を報告し,世界中で標準的観血的手術として普及した.しかし,この観血的手術は,健常組織に損傷を加えるために,術後の日常生活動作(ADL)制限や横手根靱帯と皮下組織との癒着が大きく,pillar painの原因になることで日常生活や社会復帰に時間を要することがあった.
そこで奥津ら4,5)は,健常組織に侵襲がない方法として手根管内視鏡手術を可能とするuniversal subcutaneous endoscope(USE)systemを開発した.このUSE system(図1)を用いた内視鏡下手根管開放術は,透明な閉鎖性の外套管と内視鏡を用いて,内視鏡挿入時から手術終了まですべての手術操作を内視鏡の観察下に行うことが可能で,おのおのの組織を確認したうえで手術操作を行うため,安全に手術目的を達成することができると考える.
筆者らは,現在,USE systemを用いた内視鏡下手根管開放術を行っている.本稿では本術式について報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2020