Japanese
English
運動器疾患に対する保存的治療――私はこうしている Ⅷ.有害事象と対策,予防
新しい深部静脈血栓症予防機器
-――床上下肢自動運動器
A novel device for prophylaxis of deep venous thrombosis
清水 如代
1
,
鎌田 浩史
2
,
田中 健太
2
,
相川 志都
3
,
三島 初
2
,
山崎 正志
2
Y. Shimizu
1
,
H. Kamada
2
,
K. Tanaka
2
,
S. Aikawa
3
,
H. Mishima
2
,
M. Yamazaki
2
1筑波大学附属病院リハビリテーション部
2筑波大学整形外科
3筑波メディカルセンター病院心臓血管外科
1Dept. of Rehabilitation Medicine, University of Tsukuba Hospital, Tsukuba
キーワード:
VTE
,
Leg Exercise Apparatus
,
prophylaxis of deep venous thrombosis
,
motion analysis
Keyword:
VTE
,
Leg Exercise Apparatus
,
prophylaxis of deep venous thrombosis
,
motion analysis
pp.184-187
発行日 2019年10月25日
Published Date 2019/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei76_184
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は じ め に
整形外科手術は,静脈血栓塞栓症(deep venous thrombosis:VTE)の高リスクである.日本整形外科学会『症候性静脈血栓塞栓症予防ガイドライン2017』1)では,これまでのガイドラインと異なり,予防対象は無症候性VTEを含むすべてのVTEではなく,症候性VTEおよび致死性肺血栓塞栓症となっている.VTE発症リスクの高い症例において,グレードAとして「個々の症例のVTE発症リスクと出血リスクのバランスを検討し,理学的予防法または薬物予防のいずれか,または両者を選択することを推奨する」とある.
理学的予防法としては,早期離床の推奨に加え,弾性ストッキング,間欠的空気圧迫(intermittent pneumatic compression:IPC)装置が使用されている.下肢自動運動の重要性も知られているが,術後は創部痛やモチベーションの点で実際には困難である.そこでわれわれは,床上で効果的に下肢自動運動を行う機器である床上下肢自動運動器Leg Exercise Apparatus(LEX)[図1a]を開発した2~5).本稿ではその概要を述べる.
© Nankodo Co., Ltd., 2019