特集 Onco-Cardiology Update
診る2
ハイボリュームセンターでの腫瘍循環器診療の実際
がん治療に関連した血栓症
庄司 正昭
1
1国立がん研究センター中央病院総合内科・循環器内科
キーワード:
CAT
,
ATE
,
VTE
,
DOAC
,
TF
Keyword:
CAT
,
ATE
,
VTE
,
DOAC
,
TF
pp.952-957
発行日 2022年10月9日
Published Date 2022/10/9
DOI https://doi.org/10.18885/HV.0000001032
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がん患者に発症する血栓症はがん関連血栓症(CAT)として知られており,その予後に悪影響を及ぼす。しかしCATは複数の病態を包括した疾病であり,その診断法や治療については多岐であり,確立されていない。CATは深部静脈血栓症(DVT)や肺血栓塞栓症(PE)に代表される静脈血栓塞栓症(VTE),脳梗塞や心筋梗塞,腎梗塞,末梢動脈閉塞などの動脈血栓塞栓症(ATE),さらにTrousseau症候群に関連した播種性血管内凝固(DIC)に伴う血栓症や非細菌性血栓性心内膜炎(NBTE)が含まれる。また,カテーテル留置や腫瘍による物理的な血管障害により,全身のあらゆる血管で血栓は生じうる。新しい機序の抗がん剤の種類が増加するとともに,一部では血栓を惹起する副作用が報告されており,CATの病態はますます多様化している。本稿では,CATのなかでも頻度の多いATEとVTEに焦点を当て,想定されているメカニズムやマネジメントについて現段階でのガイドラインも踏まえてup dateしていきたい。
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