Japanese
English
しびれ・痛みに対する整形外科診療の進歩 Ⅰ.総 論
3.インターベンショナル治療
周術期疼痛管理のオプションとしての経頭蓋直流電気刺激
-――Preliminary study
Transcranial direct current stimulation for perioperative pain control;preliminary study
設楽 仁
1
,
一ノ瀬 剛
1
,
濱野 哲敬
1
,
佐々木 毅
1
,
筑田 博隆
1
H. Shitara
1
,
T. Ichinose
1
,
N. Hamano
1
,
T. Sasaki
1
,
H. Chikuda
1
1群馬大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Gunma University Graduate School of Medicine, Maebashi
キーワード:
tDCS
,
pain
,
perioperative pain control
Keyword:
tDCS
,
pain
,
perioperative pain control
pp.84-86
発行日 2018年10月30日
Published Date 2018/10/30
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei74_84
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は じ め に
痛みは,感覚,感情,認知そして社会的要素を伴った苦悩体験である.長引く痛みは,脳の可塑性を引き起こし,脳の構造に影響を与え,治療に難渋する慢性疼痛を引き起こす.運動器疾患においても,肩腱板断1)や反復性肩関節脱臼2)の患者において,疼痛や運動に関連する脳機能の変化が起こっていることが報告されている.
脳機能を非侵襲的に修飾する方法として,微弱電流で経頭蓋的に脳を刺激する,経頭蓋直流電気刺激法(transcranial direct current stimulation:tDCS)が知られている.tDCSは慢性疼痛の補助的な機能的治療法として,疼痛軽減効果が報告されている3).
しかしながら,運動器疾患の術後(急性期)疼痛に関して,どのような効果があるかの検討はなされていない.今回,術後疼痛の中でも比較的強い疼痛を起こす,肩腱板断裂術後の急性期の疼痛に対して,tDCSの有用性,安全性について検討するため,予備的研究を行った.
© Nankodo Co., Ltd., 2018